アートマン Atman

アートマン Atman

アートマン 2003 ギャラリー覚

アートマン 2003 ギャラリー覚

 アートマン(atman)は「自己」という意味である。 もともとは人間の「息」、「呼吸」を意味する言葉であったが、 人間のうちにある「生気」時には「身体」を意味するようになる。

 20世紀の終わり、1995年に起こったオウム真理教による地下鉄サリン事件は、 社会に大きな衝撃をあたえた。 まったく無関係の人々を殺傷したこの犯罪は、我々の善悪を超えるものであった。

 そして地下鉄でつかわれたサリンこそ、彼らが修行によって標榜した アストラル体としての身体を象徴している。 アストラル体とは、瞑想修行によって物理的な身体が消滅してイメージの身体になることである。 身体を無化すること、それは社会の枠組みからの視えない存在となり、 そして現世からの逃避の入口ともなる。

 あぶりだされた教団の灰は、語りきれていない問いとして残っている。 善・悪の視点ではなく、信・不信の視点から捉えなおさなければならない。

2002-2003 40.9×40.9cm 木枠・麻布・膠・金泥・銀泥 1001枚組

2002-2003
40.9×40.9cm
木枠・麻布・膠・金泥・銀泥
1001枚組